ペンを使っての技法編


【1】ペンの使い方
■まだペンを使うのに慣れていない方へ。
とにかく何でもいいからペンで書く!

私は高校生のころ、
好きな漫画のセリフだけをノートに写していきました。
ときには「ドカッ」という効果音なども迫力出して描き文字を描いて
みたりしましたが、基本的には全部「文字」です。

当時は単なる暇つぶし。
意味があるのかどうかもわからず、ただ落書きする感覚でやっていました。

しかし、今考えるとそれでもOKなんです!
とにかくペン先を使う練習にはなります。
何でもいいから描きましょう!
下描きなんて必要ないので、
ペンでいきなりズバッと描く練習をしてみましょう!

■このページで使用しているペンは、カブラペン(スプーンペンとも言う)です。
紙に引っかかりにくく、最も一般的なペン先です。
Gペン、丸ペンは軟らかく、線の強弱をつけるのに適していますが、
紙に引っかかりやすいという欠点があり、初心者には使いづらいシロモノです。

どのペンを使うかは好き好きです。
いろいろ試しながら自分に合ったペン先を探していきましょう。

■インクは、パイロットの「製図用インク」。
このインクを使っている漫画家さんは多いです。
線がかすれる場合は、スポイトなどで少し水を足しましょう。

■その他に線がかすれたり途切れたりする原因としては…
・紙に油(手の汗など)がついていてインクをはじく場合。
 →【解決策】消しゴムをかける。紙をかえる。
・ペン先に油がついている場合。
 →【解決策】ライターであぶってティッシュで拭く。ペン先交換。

【2】ペンによる効果の練習

アシで入った場合、とにかくこれが基本中の基本です。
一人でも上達可能な分野なので、
時間を見つけて練習しましょう。

絵を描くのが大好きな方なら、日常的に机に向かうことが多いと思いますが、
絵を描く前にウォーミングアップのつもりで10分~20分でも、
ペンを持って効果の練習をしてみましょう。


・たて線 ( 線と線の間隔は、0.8㎜~1㎜。正確に測る )


・よこ線

※たて線とよこ線の練習は、紙単位で考えます。
最初はB4のコピー用紙一面にビッシリやってみましょう。
それを数枚ほどやれば、かなり慣れてくると思います。
キツいかも知れませんが、それが練習です!

・ラインからの縦線 ( ラインからぴったり始まるように )


・ラインまでの縦線 ( ぴったりラインで止められるように )


・ラインからラインまでの縦線 ( どちらもピッタリと )


・カケアミ




・ベタからのカケアミぼかし
( 練習不足であまり上手いとは言えません、スイマセン )



・スピード線 腕を、ひじを中心に動かします。



・定規の使い方 定規で線を引く時は、裏返して使います。



・集中線 (これは中心に鉛筆で印をつけただけでやっております)

常に鉛筆でつけた印が線の延長線上にあるように注意しながら…

原稿をくるくる回しながら引きます。


■ペンの使い方に関しての注意
ペンは、下の写真のように角度を変えずに動かすこと。


定規を使うときも同じ。ペン軸の角度が変わっていないことに注目。


×これは悪い例。線を引いているうちにペン軸の角度が変わっているのが解る。



・トーンフラッシュ
↓大きめに切って軽く押える。エンピツで中心点と下描きを入れる。
中心からの直線は定規を使う場合は不要です。
円い線を描いたのは、だいたいの大きさの目安を決めるためです。
トーンフラッシュを削っていると、いつのまにか削りが大きくなったり
小さくなったりします。それを防ぐためです。

↓側面に金属が入った定規と普通のカッターを使う。

↓フラッシュを削り終わったら、細かく残ったところをカッターで削り取っていく。

↓必要ない部分を切り取り、完全に圧着。残ったノリを消しゴムでこすり取る。

↓これで完成。



※カケアミの練習は、ペンがなくても
エンピツ、ボールペンなどでも出来ます。
時間場所を選ばず、どこでも手を動かして練習しましょう。

若い人の中には、絵が上手く描けないと悩んでいる人がいます。
その原因は、指先の筋肉が鍛えられていないからではないかと僕は考えています。
子供の字がヘロヘロで不安定であるのと同じ理由です。

手先指先で、お決まりの方向の線は引けても、
自由自在にペンを動かすことが出来ないというケースが多いのではないでしょうか。
(例:左を向いた顔しか描けない…など)

効果の練習、特にカケアミの練習で、いろいろな方向にペンを動かせるように
練習しましょう。


上の写真は、僕がアシスタント時代に、指示待ちの間に手を動かして
練習した紙です。
とにかく時間が少しでも空いたら手を動かすようにしましょう。


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